唐突な打ち切りで物語は終わる。『葬送のリミット』篠房六郎著 感想

非常に期待していただけにとても残念な結末です。
掲載誌を読んでいないので、店頭で第1巻を見つけてワクワクして即購入。面白いと思った。
二巻目を読んだところではプロローグもプロローグ、まだまだ物語の導入だったが、設定の広がりにワクワクしていた。

なので、アマゾンのタイトルリストでこの三巻目に<完>とあるのが最初信じられなかった。あそこからどうやって話をまとめるのか、「センゴク」のように小刻みに章ごとに完結させるだけなのかもしれないな、などと思いながらダウンロードしてみたら、、、物語は唐突にといっていいほどにブツリと断ち切れて終わる。世界の謎も、真実も、トーナメントの行方も、きたるべき災厄も、いずれもすべてわからないままに唐突に物語は終わる。
打ち切りになったのは間違いがないのだろうけれど、、、これから先が楽しみだったので残念なのもそうだけれど、それにしてもこの終わり方はどうなんだろうと思った。
ジャンプの10週打ち切り漫画でも、ラストの三話くらいは物語の締めにむけて強引にでも話をまとめにかかり、「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ」的なまとめにもっていくか、、先日終了した「BLEACH」みたいに後日談で終わるようなとりあえずの体裁は整える。しかし、この「葬送のリミット」には全くそういうのがなかった。ラスト数ページにそのようなシーンもあるが、まさにとってつけたような感じで、物足りない。
せめてもう少しなんとかならなかったのか、あるいは打ち切りが突然通告されたのか。

なんにしても、せっかく面白い作品になりそうだったのに残念だし、篠房氏の場合は「空談士」や「ナツノクモ」といった同様な終わり方をしている作品があるので(逆にいえばそれだけ打ち切りがあってもきちんと連載をもたしてもらえるくにらいには固定ファンや人気はあるのだろうから)、なんとかこのあたりは改善してもらえないかなと思う。

 

 

葬送のリミット(2) (アフタヌーンKC)

葬送のリミット(2) (アフタヌーンKC)

 

 

葬送のリミット(1) (アフタヌーンKC)

葬送のリミット(1) (アフタヌーンKC)