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『乙読語り9巻』森薫著 逃げ恥以上に胸キュンのパリヤ篇

中央アジアを舞台に、幾人かのお嫁さん(候補含む)を中心とした物語もはや九巻。この巻は、前作に引き続きパリヤ篇です。最初の登場時には、男性のみならず人と喋るのが苦手で、編み物や縫い物も苦手、ちょっと怒りっぽいという性格も含めて一番お嫁さん物語には厳しいキャラと思われたパリヤですが、いざ蓋をあけてみると他のメンバー達以上の、一番甘酸っぱい恋愛物語を見せてくれました。

許嫁ができたと思えば、異民族の襲撃で実家も含めて大変な被害が出て婚姻も先延ばしになるパリヤ。知れば知るほど相手方の男性を気に入った彼女の葛藤と恋愛成就のための努力の微笑ましさと一喜一憂する様は、いま流行りの『逃げ恥』以上に甘酸っぱいものがありました。
この巻で、物語上一番好きなキャラになりました。彼女の婚姻が上手くいきますように。

物語はもちろん、相変わらず細密画のように細かく書き込まれた事物や、物語の途中途中で描かれる中央アジアの文化も面白く、満足な一冊です。
強いて言えば、唯一の異邦人のスミスさんの物語も進めていただけると嬉しいですが、それもそのうち出てくるでしょう。
ともあれ、文句なしです。