映画『君の名は。』すごく良かった

映画『君の名は。

騙されたと思って見に行ってください。きっと、感動しますよ。

昨年度の国内外を問わずの大ヒットにも関わらず、見るタイミングを逃して見に行けてなかったので、お正月休みを利用して見てまいりましたが、とても良かったです。
そりゃあ、ヒットするよね、と思わせる隅々まで全てが行き届いた映画でした。
映像、音楽、演出、ストーリー。何れもが非常に素晴らしかったです。
アニメだからとか、どうせ恋愛ものでしょう?なんて言わずに騙されたと思って見ていただければなぁと思います。
今年最初の映画がこれで良かった。昨年末の最後が『アメリカン・ビューティー』だったのですけれど、本当に良い意味で真逆の映画で、年明けにふさわしい映画でした。

夢で出会った少年少女がやがて現実でも出会う。
新開監督の初期プロットにはこれだけしか書かれていなかったそうですが、そんなシンプルな構造ながら素晴らしい映画に仕上がっています。

これだけヒットしても多くの人がネタバレをあまりしていないのは、きっとフラットな状態で劇場でみんなに映画を見て欲しいからだと思うし、僕もそう思うのでストーリーは敢えて書きません。
シン・ゴジラ』と同じく、絶対に見て後悔しない映画です。
オススメです。

皆様、良いお年を

ブログを始めて一ヶ月半少し。

いよいよ年の瀬です。

年の瀬にふさわしく、だらだらと紅白を見つつ(SMAPはやはりサプライズもなしですね)、年越し蕎麦を食べています。

最近太りすぎてきてるので、この年越し蕎麦から始めて来年は自炊も心がけたいと思います。

 

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映画「アメリカンビューティー」を見た感想

アメリカンビューティーというと、僕の中で真っ先に思い浮かぶのは赤いショートカクテルだ。

ワシントンのシンボルの赤い薔薇の品種、それがアメリカンビューティーというのだそうだが、それをイメージして作られたカクテルで、ブランデーとポートワインが決め手になるカクテルだ。
ショートスタイルで、ブランデーをメインにしたベースの上に、最後にするりとポートワインをフロートする。そうすると、すーっと鮮やかな赤が花開くような見ている時間からが素敵なカクテルなのだが、最後の作り方が難しく、本当にきちんと作れるバーテンダーは100人に1人いるかいないかという話で、、、と、この話をし始めると長くなるので割愛させていただく。

 

今日は映画のほうの「アメリカンビューティー」の話。この映画、今日「戦場のメリークリスマス」を見たあと、たまたまテレビでやっていたので、連続して見たのだけれどこれが思いのほか面白かった。
アメリカのとある都市に住むとある中流階級の家庭。仕事にやる気がもてない冴えない中年男レスター・バーナム。板尾創路にも似た風貌の彼の家には奥さんと高校生の娘が一人いる。
しかし、この家庭が見事にまでに壊れている、不動産業を営んでいる奥さんは見栄っ張りで、夫婦生活は氷点下まで冷え切っている。娘のジェーンは、思春期にはありがちなことだが、父親の弱さダメさを生理的に毛嫌いしている。
おまけに、父親であるレスターは実はリストラの直前。壊れない方がおかしいくらいの状況だ。

 

そんなある日、レスターは、高校でチアリーディングをしているジェーンの応援に行った際に、ジェーンの友達のアンジェラに出会い一目惚れしてしまう。そして、それを敏感にジェーンに悟られてしまう。一方、そのジェーンに対しては、隣に引っ越してきたフィッツ親子の息子のリッキーが一目惚れをしてしまう。まだ初対面の挨拶をする前から、盗撮のようにジェーンの姿をビデオカメラで追いかけるリッキー。
エキセントリックな登場人物が次々と出てくる中で、レスターの家庭は急速に崩壊へと向かっていく。


といったような粗筋なのだが、この中に、現代アメリカの闇というか問題がこれでもかというくらい盛り込まれている。
家庭崩壊。ドラッグ。ストーカー。不倫。経済崩壊。銃社会ロリコン。同性愛に対する在り方。尤も、銃社会という問題以外はすでに日本でも身近な社会問題になってきているが、アメリカ型社会のトラブルが短い映画の中に盛り込まれている。

もちろん、ブラックコメディと書いたようにそれを正面からシリアスに描いたりはしない。コメディにくるんで、笑いの中にそれは描かれる。中年男のかっこ悪い妄想として描かれたり、バカバカしい形での不倫の発覚、勘違いの末の男同士のキスとして描かれる。
だから、話我はそれを苦笑しながら見ることになるが、案外とその闇は深く身近なところにあることに気がつかされる。表面上には綺麗に見えて、その裏側ではあらゆることがすでに実は腐っていたり壊れている。


そして、そうして見てみると、この「アメリカンビューティー」というタイトルは非常に皮肉なタイトルだと言わざるを得ない。アメリカの美しさ、美しき古き良き時代はすでに壊れて、ない。
そこに存在しない。
偶然ながら、見てよかった映画だった。

 

追記 
出だしの部分では、アンジェラのどこに可愛さがあるのか全くわからなかった。むしろ、これがアメリカの美人? ティーンの魅力? と首を傾げていたのだが、後半になるにつれ彼女の良さというか可愛らしい部分が描かれてどんどん魅力的になっていくのも個人的にはなかなか良かった。

ネロ・ウルフがダイエットしてる??

ネロ・ウルフがダイエットしてる!
ビール断ちしてる!
家の外に出てジョギングしてる!
信じられない!

 

ネロ・ウルフの事件簿 アーチー・グッドウィン少佐編』 レックススタウト著

 

同人誌、でもパスティーシュでもなくて、御本人による第二次世界大戦中のネロ・ウルフの物語ですが、、、アーチーは軍の諜報機関の少佐となり、ウルフは打倒ナチスの為に戦うべくダイエット!を始め、美食をやめているという、今までのシリーズのファンからするとまったく予想外というか想定外なお話です。
かくいう僕自身も、そんなシチュエーションで始まる、この短編集の第1作『死にそこねた男』には、本当に驚かされました。
あのネロ・ウルフがダイエット? 毎日二十本近く飲むビールを一本も飲まない?
痩せすぎて、アーチーのセーターを着てる?
そんな馬鹿な!

とはいうものの、シチュエーションなさて置くとして、ミステリーとしてはシッカリと面白いし、どうしてこれが今まで未翻訳だったのだろう。
とっても不思議に思います。

 

 

ネロ・ウルフの事件簿 アーチ・グッドウィン少佐編 (論創海外ミステリ)

ネロ・ウルフの事件簿 アーチ・グッドウィン少佐編 (論創海外ミステリ)

 

 

 

韓国釜山 日本総領事館前に慰安婦像(少女像)設置

韓国釜山の日本総領事館前に慰安婦像(少女像)が設置されたとのこと。

韓国政府は、朴槿恵大統領と安倍首相との間でちょうど一年ほど前に結ばれた慰安婦合意の約束の履行を完全に反故にする気満々のようです。

this.kiji.is

『炎路を行く者』 上橋菜穂子著 感想 

上橋菜穂子さんの代表的シリーズ『精霊の守り人』『旅人』シリーズの外伝的作品が文庫にて登場いたしました。


本編のスピンオフということで、中編と短編が一本ずつ。ヒュウゴの少年時代と、バルサのこれも少女時代のお話となっています。

ヒュウゴ(シリーズ本編について未読な人もいるでしょうから、彼については『旅人』シリーズの主人公・チャグムとも後に絡んでくる人物の一人とだけ記しておきます)は、南の大陸のユゴ皇国に生まれます。彼の父は「神の盾」と呼ばれる皇帝直属の近衛兵で周囲の尊敬を集める腕利きの武人でした。そんな誇り高い父と優しい母、小さな妹。少年時代のヒュウゴはそんな家族にも恵まれ、何不自由なく暮らしていたのですが、南方の巨大な帝国・タルシュ帝国の膨張によってその運命を狂わされます。
タルシュは、かつてのヨゴ皇国の属国を戦争で打ち負かした後、彼の祖国ヨゴとの戦争状態に突入します。幾多の国を併呑してきたタルシュは戦争に圧倒的な強さを見せ、ヨゴの戦況は刻々と悪くなります。そして、ついには「神の盾」は家族を下町に避難させ悲壮な最終決戦にうってでます。

が、実力差は甚だしく、故国はついに滅ぼされてしまいます。

ヒュウゴの父親は帝を守って戦死、一緒に避難していた家族は彼の目の前で占領軍に惨殺されてしまいます。半死半生の身でかろうじて命を救われた彼は、故国の下町で毎日の生活がやっとの暮らしを始めます。高位の軍人の息子だった彼からすれば、そんな毎日は本当は縁遠い生活であり、最初はそのことに馴染めないものを感じていましたが、徐々にその暮らしに馴染んでいきます。しかし、とある事件を契機に、彼は自分の暮らしや生活に疑問を抱き始め、周囲もそんな彼を普通の少年としては扱ってくれなくなり始めます。

戦争でリセットされた筈の武士階級としての身分は別として、下町の小さな世界を自分の足場として生活を固めていくには、彼の精神はいい意味でも悪い意味でも器が違っていたのです。かくして、彼は様々な経緯を経て、彼の父を殺し国を滅ぼしたタルシュの軍人となっていくのでした。

このあたり、外伝的作品ではあるのですけれど、これだけで十分一冊のビルディング小説のようです。キャラクターの掘り下げや物語のダイナミズムという点では、外伝なだけにやや薄いですが、それでも十分に楽しめる作品になっています。

少年が自分の成長と周囲の環境のギャップに悩み、己が何ものか悩み、大人になり世界を見たときにこの世界が本当はどうなっているのか少し理解してそこに挑もうとさらに広い世界を感じて旅立つ中にまた新しいドラマがある。

『守り人』『旅人』シリーズが素晴らしいのは、こうした幾つもの国、当然架空の国なわけですが、それらの国ごとにきちんとした文化があり歴史があり政治があり、それらが重層的に絡み合って物語を形作っているというところにもあるのでしょうね。ファンタジー小説だけに、こちらの世界とは別の法則の別の世界も絡んでくるのですが、それと同時にこうしたその世界での現実世界の確かさの構築があるのでしょう。

ふと、また時間の余裕があるときに全編読み直してみようと思う一冊でした。

 

精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)

 

 

炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)

炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)

 

 

『ネロ・ウルフの事件簿 アーチー・グッドウィン少佐編』 レックス・スタウト著

 ようやくと入手いたしました。

究極の安楽椅子探偵ネロ・ウルフが主人公のミステリー。

日本では未翻訳だった作品がハードカバーで出ております。

グッドウィン君好きとしては、彼が凛々しく軍服を着てる図を思い浮かべるだけでも、ワクワクしてきます。

これは、のんびりお正月用かなぁ〜。

 

 

 

ネロ・ウルフの事件簿 アーチ・グッドウィン少佐編 (論創海外ミステリ)

ネロ・ウルフの事件簿 アーチ・グッドウィン少佐編 (論創海外ミステリ)