『君の名は』中国公開初日だけで8億!

新海監督の映画『君の名は』がいよいよ中国で公開され、初日だけで8億円の興行成績をあげたそうです。

素直に凄いなぁと思いましたし、他の皆さん同様に、そりゃあハリウッドもボリウッドも中国市場を無視できないし、商業的には中国に寄り添った映画も増えざるを得ないなと思いましたよ。

 

今までいろんなニュースで、中国の市場規模の持つ魅力は大きなリスクの上でも捨てられないのが経済界の正直な声だというのを聞いてきました。数値としては確かにそうです。しかし、そうはいっても中国に進出したら、技術は盗られるし、従業員のストライキは強烈だし、コネや賄賂がないと手続きは動かないし、撤退しようとしてもできないし、あの国に深入りするのはリスクの方が多すぎると思っておりました。市場規模がいくら大きいといっても、リスクの方が大きすぎやしないか、と。そんなに魅力的なのか、と。

 

けれど、このニュースで、市場規模の魅力というのを実感しました。

8億円の興行なんて、日本映画市場で考えれば、よほどのヒット作が数週間かけてやらないと達成できない数字ですよ。それをあっという間に一晩で達成してしまうわけですから、これはシャレになりません。

多分今日明日の3日で20億くらいいってしまうんでしょうし、とんでもない規模ですよ。しかも、日本と中国では売り上げの配分などが全然違います。あちらの方が圧倒的に作り手サイドに実入りがよくて、配給会社、制作チームへの取り分が大きいです。

そういうことを考えると、日本は映画に関しては中国へ売り込んでいくのもありかなと思いますね。

製造業やら飲食業みたいにあちらに店を構えて工場作ってなんていうとまだまだリスクが高すぎそうな気はしますが、コンテンツの売り込みというのはもっと積極的にかけてもいいんじゃないかなぁと。

 

まぁ、いうて、僕自身はまだ『君の名は』は見てないんですけれどね。『聲の形』と迷って『聲の形』に行き、『シン・ゴジラ』と迷って『シン・ゴジラ』に行ってしまった今年後半でした。

 

www.recordchina.co.jp

ブログ開設1ヶ月 なんとか続いています 

皆さまこんばんは。
ブログ開設1ヶ月、なんとか無事に三日坊主にならずにとびとびながら続けられております。カウンターの設置も無事に終わりましたところ、カウンターは4000弱。
これはひとえに、ワールドトリガーの休載についての記事のおかげですね。それがなければ1日に100ちょっと。誰にも知らせずこっそりと始めたにしては、いい方なんじゃないかな、と思ったりもするんですけれど、こればっかりは相場もわからないのでなんともいえません。
とりあえず、これからもぼちぼちと続けていきたいなと思います。気軽に絡んでくださってよろしいので、よろしくお願いいたします。

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『ワールドトリガー17』感想 葦原大介先生無理はなさらずに

ワールドトリガーの最新刊が本日発売された。
しかし、普段と違って喜びは半ばしかない。というのも、この本を手に今手にとっている人はほぼみなさんご存知のように著者の葦原大介先生が、持病の悪化にともないここ数週間休載、本誌の編集部コメントを読む限りでは復帰の目処が立たないからだ。

 

このワールドトリガーという漫画は、連載開始時期から強くプッシュしてきた。
ある時は、他の多くの少年漫画にはないしっかりとした裏設定のあるSF漫画として、そしてジャンプ連載漫画としてはある意味アンチテーゼ的な主人公を配した設定の特異な漫画として、なにより純粋に面白い漫画として、ことあるごとにプッシュしてきた。

なので、ここにきての連載休止、しかも作者の葦原先生の病いが長期の休載もやむなしの頚椎の病気ときくと非常に残念でならない。

アンチな人々からは、ちまちま仲間うちでサバゲーをしているだけの漫画だとか、少年兵が異世界との戦闘の全面にたつなんてあまりに馬鹿馬鹿しいなんて叩かれるし、主人公に魅力がないと言われる漫画ではあるが、しっかりと読み込めばそんなことはないとわかるし、今ちょうど物語も主人公たちの住む世界から、異世界へと旅立つルートが見えてきた矢先だっただけに本当に残念でならない。

 

普通の漫画であれば、主人公の三雲修少年は、異世界からの来訪者と一緒に、あっさりと異世界に旅立つだろうし、主人公としてメキメキとレベルアップして無双キャラになっていくのだろうけれど、この漫画では4年かけても彼はまだまだ弱い。一対一だと他のメンバーにほぼ勝てないくらい弱い。致命的に基礎能力が足りないというハンデを背負っている。

 

物語的にも、この漫画だと主人公サイドは異世界から攻め込まれることはしばしばあるが、こちらから主人公が異世界に行くということはこれだけの年月が経ってもまだ一度もない。他のメンバーは行くが、主人公は弱くてまだいかせてもらえない。行くための資格を取るための修行期間? を描くだけでも4年近くかけている。
こんな漫画は滅多にない。

 

そして、それだけの時間をかけても、まだまだ明かされていなかった初期設定が徐々に出てきいて物語の全貌が見えず、破綻せずにSFとして成立している。
こういう漫画は本当にちょっとない。
だからこそ、本当にこの時期の休載が痛い。

17巻のレビューだから最後に少しだけ内容に触れると、この巻では、さきほどから弱い弱いと書いている主人公・三雲修が実は大活躍する。
仲間内部でのランク戦でも新しく使い始めるスパイダーという武器(武器といってもその名の通り、糸を張り巡らせるだけといえばそれだけの武器なのだが)をうまく使い、チームを勝利に導く戦術を一つ編み出す。
そして、そうした勝利の上で、軍の司令官ならびに幕僚の面々と会議を行い、自分のやりたいことを押し通すのだ。大人たち相手に話術、交渉術と駆け引きで見事、異世界からの捕虜でもあるヒュースという戦士を自らのチームに参加させることに成功する。

もちろん、この漫画のことだから主人公が大人たち・司令官たちを手玉にとったなどという描写はなされない。修側から見れば、自分のやりたいことを通したように見えて、実は相手側からすれば相手側の一番やりたかったことは通されているという事をしっかりと書き込んでくれている。そういう硬さというか世界がきちんと動いている感じを書いてくれるのがこの漫画らしいといえばらしい。しかしながら、このヒュースという人物の加盟でいよいよ主人公チームには異世界行きのチャレンジの機会が訪れようとしている。
そういう機運のところで話は進んで行く。

 

すでにジャンプ本誌で連載したぶんのストックがあるから、あと一巻もしくは二巻はコミックが出るだろうが、そのあとはどうなるのか、、、、本当にまさにこれからという時だっただけにくどいようだが残念でならない。
葦原先生が病気をしっかりと治したうえで、1日も早く再開されることを心待ちにしたい。

 

ワールドトリガー 17 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー 17 (ジャンプコミックス)

 

 

 

僕の席でスヤスヤ寝てる貴方へ

あなたはどうして僕の席でスヤスヤ寝ているんだろう。

そこは、僕の席だ。

一瞬勘違いしたかと思ったけれど、ここは間違いなく僕の席だ。

なのに、どうしてあなたはそんなに無防備に眠り込んでしまっているのだろう。

僕はなんて言葉をかけたらいいのかわからなくて、立ち尽くすしかない。周囲の物珍しい視線を受けても、曖昧な笑みで返す他にやりようがない。

「起きて」

最初はためらいがちに、やがて肩を叩いてみたが、なんの反応もない。

死んでる?

まさかね。しばしつついてみると、少し動いた。本当に、ただのしかばねのような熟睡ぶりだけれど、生きているのがわかって、少しホッとした。

もしあなたが本当に死んでいたら、どこからともなく警察がやって来て「どうして、この人は君の席で死んでいるのか」と、覚せい剤で逮捕されたASKAにするより強く尋問するだろう。

関係も何も、あなたのことなんて全く知らないと言うのに。

 

しかし困った。

僕に残された時間は僅かしかないのだ。

ひょっとしたら、貴方にはたっぷりと時間があるのかも知れないけれど、僕には僅かしか時間がないのだ。

たった、38分。

それが僕に与えられた時間の全てなのだから。

19時44分発の、さくら。

新幹線で岡山から新神戸まで、わずか38分。その為に僕は指定席を買ったのだけれど、どうやらあなたを起こし切る前に着いてしまいそうだ。

声をかけた車掌さんは、急ぎの用があるのか要件を詳しく聞く隙もあらば、そのまま後ろの車両へ行ってしまった。

万事休す。

やれやれ。

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旅先のホテルで、本を忘れてくることってないですか?

 

……やってしまいました。

旅先のホテルで、買ったばかりの読みかけの本を忘れてきてしまいました。

たまーーに、これ、やるんですが、皆さんはそんなことないですか。読み終わった本だったり漫画をもう一度読み返したりしないだろうし、荷物が重いからと意図的に捨ててくるのではなくて、うっかり読みかけの本を忘れてしまうことってないですか?

 

友達に言うと、そんなこと有り得ないと言われるのだけれど、電車に乗ったら電車の切符はどこかへゆくし、傘なんて買ったその日に帰りはもうどこで無くしたかもわからないくらいにどこかで置き忘れてしまうのがデフォルトな私なのでした。

痴呆だとかそんなわけじゃなくて、若い時からそうなのだけれど、本は痛いなぁ。

 

ちなみに忘れたのは、北方謙三の「岳飛伝」。梁山泊の相方を描いた「水滸伝」から「楊令伝」と読み継いできて、いよいよ「岳飛伝」でしたが、いまいちのめり込めないなぁと言ってるうちに、ホテルでロストございました。

北方「水滸伝」なら、そんなことは絶対になかっただろうし「三国志」でもなかったと思うんだけれどなぁ。

 

岳飛伝 1 三霊の章 (集英社文庫)

岳飛伝 1 三霊の章 (集英社文庫)

 

 

 

 

 

「私の家では何も起こらない」恩田陸著 感想

さて、恩田陸である。
恩田陸は、あくまで個人的な好みではあるが、アタリハズレが激しい作家である。「六番目の小夜子」「光の帝国」「MAZE」「ネクロポリス」「ねじの回転」「夜のピクニック」みたいな傑作があるかと思えば、少々ハズレかなと思う系統のものある。
例えば、最初はすごくよかったのに後半でガタガタになってしまった「夜の底は柔らかな幻」や、濃密な人間関係のあれこれや過剰なほどの少女趣味が前面に出てしまってバランスが今一つ悪かった作品群、「まひるの月を追いかけて」のように少し持ち重りのする作品もある等がそうである。
もちろん、くどいようであるが、それらについては当然個人的な好みであり、むしろ後半で挙げられた作品や「ロミオとロミオは永遠に」のような作品が好みだという人もいるかとは思うので、その場合はお許し願いたい。

 

という前置きの上で、本書「私の家には何も起きない」は、評価に迷うところである。
ざっくりと説明すると、とある一軒の洋館。イメージとしてはイギリスの古い小さな洋館。そこで繰り返される悲劇、怪異譚を連作小説としたのが本書となり、さまざまな登場人物がその洋館で起きた事件の当事者、被害者、関係者として登場しながら各自の視点で物語を綴っている。手法としてしはオーソドックスな形の小説である。

と同時に、語り手によって同じ事件を様々な角度から見たという単純なこことではなく、作品によって、時系列は過去のさまざまな時点に分岐するし、ちょっとした仕掛けで読者にミスリードを促す部分があり、そのあたりでは技巧を凝らしたものにもなっている。

 

そして、評価が難しいと書いたのは、そうした技巧的な部分の狙いはわかるのだが、その結果、これはホラーなのかそうでないのか、怖がらせたいのかそうでないのか、そのあたりが曖昧でとりとめがなく終わってしまったような感じを強く受けるからである。

数年前に話題になり去年映画化された小野不由美の「残穢」や、小林泰三らホラー作家のようなわかりやすい怖さ・続々するような怖さがあまりない。むしろあとがきでもチラリと出てくるがアダムスファミリー的なちょっとコミカルな部分がある。残酷は残酷で、あっけなく人は死ぬし、日本的な幽霊と違って土俗の名状しがたいものなどの描写もあり、そのあたりが少し微妙に感じた。

 

文庫版

 ハードカバー版はこちら

 

私の家では何も起こらない (文庫ダ・ヴィンチ)
 

 

韓国・朴大統領、いきなりの下野・退陣表明なれど、、、むしろ長期戦狙い、泥沼化か。

街角のテレビやラジオが伝えてくれたニュース。

みなさんもご存知のように、お隣韓国の朴槿恵大統領が、弾劾裁判の国会可決直前に、またまた唐突に下野を表明いたしました。ニュースの一報を聞いたときは、事態収拾の為に速やかに下野して国政の空白期間を設けようということかと思いましたが、、、よくよく聞いてみるとそんな単純な話でもない様子。

彼女の宣言は、「私は罪は犯していないけれど、国政の誤りがあったので、そこに責任を感じています。なので、国会議員は、国民のために大統領が早く辞めれる法案を作って可決してください」ということなんですね。つまりは、これを認めてしまうと、普通に訴追や弾劾裁判もできなくなる公算が大で、彼女は罪に問われなくなってしまう。そして、それでもいいからはやく下野してもらおうとしても、今度はじゃあその法案には何人の賛成が必要なのか、どれくらいの時期に辞めてもらうことにするのかを国会で与野党が政党争いしながら作っていかないといけない、、、ということは下手をしたら、ズルズルと時間だけがかかる可能性もありそう。
また、それをしている間は大統領の職能の停止はないということで外交についてもあれこれの動きがあるようで、いやはや朴さん意外な策士かもしれません。

今回のは、崖っぷちからの起死回生の一手なのかもしれません。

100万人、200万人が集うろうそくデモを平和的な世界に誇るデモと官民一体で叫んでしまっただけに韓国国民はこれに大反発して力技にもっていけないでしょうし、、、。

www.asahi.com

「「

韓国の朴槿恵(パククネ)大統領(64)は29日午後、ソウルの青瓦台(大統領府)で会見し、自身の任期短縮を含めた進退について、国会の決定に従うとの考えを表明した。自身が関係する一連の疑惑で批判を受けて、事実上、任期途中での退陣を表明した。韓国では1987年の民主化以降、大統領が任期途中で辞任するのは初めて。

特集:朴槿恵大統領
万策尽きた朴大統領 特異な政治手法、知人らの介入招く
 朴氏は「大統領職の任期短縮を含めた進退問題を国会の決定に委ねる。国政の混乱と空白を最小化し、安定的に政権を移譲できる案を作ってくれれば、その日程と法手続きに沿って大統領職から退く」と述べた。

 朴氏の疑惑をめぐっては、支援者のチェ・スンシル被告に機密文書を渡した問題や、チェ被告が前秘書官らと共謀して財閥企業に財団の設立資金を出すよう強要したとされる事件で、世論が反発。検察当局はこれまで起訴した事件で、朴氏を職権乱用罪や強要罪、公務上機密漏出罪などの被疑者と判断していた。

」」