『ブラックナイトパレード1』 中村光著 感想

クリスマスイブの夜、黒いサンタにスカウトされた青年が主人公のギャグ漫画。

欧州で伝承の残る黒いサンタ。
彼らには、日本人にもお馴染みの赤いサンタクロース、いわゆるサンタクロースと違い、悪い子の元へプレゼントを届けるという伝承がある。昔は、石炭や家畜の臓物などが贈られたという。

「荒川 アンダー・ザ・ブリッジ」や「聖☆お兄さん」で有名な中村光の新作は、そんな黒いサンタにスカウトされた青年を主人公にしたギャグ漫画だ。
クリスマスの夜に、要領が良くて我儘な同僚や、バイト先の店長に辟易した彼は賞味期限切れのクリスマスケーキをくすねたことで黒いサンタにスカウトされる。
そして、彼が今一番欲しかった「就職内定」という言葉と「月給30万円 寮食事付き」の文字に釣られて、黒いサンタの会社に就職してしまうのだった。
冗談半分でなく本気で実在した黒いサンタと赤いサンタ。悪い子供達を特定し、彼らにプレゼントを配る為の活動を行う、人間とそれ以外?の者達。
ちょっと不条理でシュールなギャグ漫画の世界は「さすが中村光」の安定の面白さです。

 

ブラックナイトパレード 1 (ヤングジャンプコミックス)